ジャカルタ全国区のTVに出演経験もあるお笑い界の有名人、スアンダさん(芸名チュディル)。その彼がバリ島の伝統的なワヤン、それもバテル編成(4台のグンデル・ワヤンの他に太鼓など8名ほどのリズムセクションが加わったもの)のワヤンに3度目の挑戦!(マハバーラタ物語)
バトゥブランのご自宅を訪問すると、いつも気さくな踊りを交えて歓迎してくれるスアンダさん(私も踊りで応えます、笑)。バリ島では地元のTVを通して彼のコミカルな道化役を知らない人はいないほど、そのキャラクターは多くの人々から愛されている。
すでにバリ島のお笑い界ではトップクラスの活躍をしているその彼が、道化の世界だけでは物足りなくなった(?!)のか、はたまた満を持して奥深いワヤンの世界に飛び込む時がついに来たのか、数年前からダラン(影絵使い)に挑戦し続けている。しかもワヤンのメッカ、スカワティのツワモノ楽師を引き連れて。
数日前、バトゥブランのご自宅でのリハーサルに伺った時は、グンデル奏者が2人しか集まらず、それも大遅刻、緊張感に欠け、私も早々にその場を退散したほどだった。(失礼しました)
しかし、昨夜の本番はダランと演奏者のもっているポテンシャルの高さから、夢のようなファンタジー世界を創造していた。流石のあっぱれ!だ。
スアンダさんとスカワティの演奏者は同じ地域に住んでいるわけではないので、人形と音楽に「あ・うん」の関係を築くのにはそれなりに時間を要すると思われる。しかし、スアンダさんの人生をかけた崇高な挑戦、今後も期待して応援したい。
(バリ島より、飯田茂樹)
昨夜の本番はノリにのり、4時間にも及んだ(演奏者には長く不評であったが、笑)。洞窟シーンのエコーのかかった会話にスアンダ氏のオリジナルの笑いを私は見た。
数日前のリハーサルの様子。スアンダ氏(上:ダラン)、ブダ氏(右:太鼓)、チャプン氏(左:グンデル)、ギップ氏(中:グンデル)
スアンダ氏のカヨナン(森羅万象を表す人形)上演シーン
緊張感に欠けたリハーサル(失礼)、グンデル演奏者がギップ氏しかいなかったので、ブダ氏(本当は太鼓)が代行。
本当に心配になりました。
ブダ氏の相手役、もう一人の太鼓演奏者はライ氏